アブストラクト


第3回一般物理教室談話会

題目

フェルミ原子ガスにおける新しい超流動の実現

講演者

大橋 洋士氏(筑波大学物理学系)

日時

2004年6月14日(月)午後5時

場所

日大理工・船橋校舎・1号館3階131B室

要旨

  アルカリ原子ボーズガスでのボーズアインシュタイン凝縮の実現以降、 精力的に研究が進められてきたフェルミ原子ガスの超流動化が、 2004年に入りついに達成された。 この超流動は Feshbach共鳴と呼ばれる、これまでの金属超伝導やヘリウム3の超流動とは 全く異なる機構で発現している。 また、この機構の特徴である可変な原子間相互 作用によって、いわゆる「BCS-BECクロスオーバー」(超流動の性質が通常の BCS理論的なものから転移温度以上で形成された分子ボソンが凝縮する BEC的なものへと変化)が実現できるようになった。
  本講演では、この新しいフェルミ粒子系超流動について、 Feshbach共鳴機構、BCS-BECクロスオーバーといったこの 系特有の現象や、それを扱うための強結合超流動理論を中心に議論する。 また、準粒子(1粒子)励起スペクトル、集団励起、density profileといった、 原子ガス系での重要な観測量に対する理論的予測、実験の現状についても 紹介する。


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