ま だ途中ですが、だいたい作れた。
  ある人(学生:社交の3年生らしい)から質問 を受けま し た。そこでここの pageに合うかどうかは別にして、公務員試験でありがちな問題だったのでみんなで一緒に考えてみましょう。そうです熱の伝わり方について考えてみましょ う。

 キーワードは熱量です。・・アチチッ!

  イントロダクションです。下の図のような物を考えてみて下さい。ある熱源から断熱材を介した熱の伝わり方です。

図1

  えーまず、熱の伝わる部分を矢印で書いてみました。熱源から断熱材表面に熱が伝 わり (矢印A)徐々に断熱材中を通過し、右側の部分に熱が伝わっていきます(矢印B)。

  たとえば発泡スチロールのように熱のなかなか伝わらない物だとすると、 カップ麺のようにしばらくは中はHOTな(高温状態の)ままでいられます。でもあくまでも「し・ば・ら・く・は」です。一晩おいておくことを考えれば、熱 が伝わるのがいくら遅くても時間をかければ完全にさめてしまいます。

 
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--<1day>--

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図2

そうなんです。カップ麺やアイスボックスによく使用されている発泡スチロールなどの断熱材は決して熱を断っているわけではなく、“熱の伝わりをじゃまして いるだけ”なのですね。それでもコップに入れたお湯に比べればずいぶん長く“アッ チッチ!”ですよね!そうなんですね、ようは食べる時間だけちゃんと熱くなっていれば問題無いわけです。模式的なグラフにすれば下の図のよ うな感じになりますね<雑に書いているので実際の物と異なります>・・・きっと・・。

図3

  じゃあ十分に長い時間、そうですねカップ麺にお湯を入れて3分ではなく3日か3週間ほど待ってあげましょうか(食 えねーよ!)、そうすれば早く冷めてしまうコップのお湯とカップ麺とはほとんど同じ温度になって、区別がつかなくなります。
   ・・・・ ん?・・・ちょっと待てよ・・・・ほおっておいた場合、一日で部屋の中 の温度だって変わるから、下手をすると器の内外で温度が逆転することだってあるはず・・・・・そう!・・・・・・その通りなんで す。・・・・・・・じゃあどうすんだよ・・・・・・・・・!
  理想的な条件を考えると、「部屋が無限に大きくて」、「温度の変化が外部から生じない」、ついでに「熱の対流なんてモノもない!」このとき「無限に長 い時間待つ」と「コップのお湯」、「カップ麺」そして「部屋の温度」が一致する。
   ・・・そんな部屋は売って無いし!生きてるウチに結果を見せろ よ!・・・アホか!アホだろ!現実考えろよ!・・・ だから理想だって ば!・・・夢見がちな夢想家だよそれじゃ!「大人になりなさい!」チガ ウデショォォ!ナニモカモガチガウゥゥ!ナニソレ?ブキ?ナニヲアラワシタイノ?アナタダタ、カイコクゥ・・・
  だから「十分な時間待つと周りの温度と同じになる!」という風に 扱っておくのです。
実際の極低温用の断熱で使用されている真空断熱(普通は真空断熱層にスーパーインシュレータで輻射による熱の流入も抑えています。)でも全く熱が伝わらな いというわけにはいきません(どだい完全な真空もできませんけどね!)

  さっきから見ているこの図で考えた場合、断熱材の上下はどうなってんだ?断熱材の中身は本当に一様なのか?とかは無視しておきましょう。(ここで現実 的に考えてやってるつもりでも、建物の断熱などの大型のモノほどこういった条件は当てはまらなくなるので本当はとても複雑になります。)
  それでは矢印Aから熱が伝わっていき、断熱材の左端から矢印Bで断熱材から部屋に熱が伝わっていくとしましょう。しばらくこの 状態で待ってあげれば大抵は安定してそのうち断熱材や部屋の温度が変化しなくなってきます(定常状態ですね!)。図に書くとこんな感じです。


図4
  
グラフに表すと時間的な変化がなくなれば、こんな感じですかね(上図)。******アンバランスな状態はこんな(< -クリック)感じかな??
   ここで断熱材の壁面の面積をA (m2)、 断熱材の厚さをd (m)、熱源側断熱材の温度T1 (K)、部屋側の断熱材の温度T2 (K)とすると、時間あたり伝わっていく熱量Q (J/s)<定常伝導伝熱速度と いいますが、伝導伝熱速 度とか伝熱速度などのよ うに略して言うことも多い。>は次のように表すことができます。


* * * * * (01)

これを平板のフーリエの法則といいます。なお定数k は熱伝導率といわれる物質特有の値です。物質特有といっても普通の断熱材なんてのは一種類の材料でできていないし(発泡スチロールだってスチロールの泡の 固まり?なんだから空気とスチロールしかも中身はエラク複雑だしね!)実験的にデータをとらないと本当のところは正確には出ません!ところでk の 単位は


* * * * * (02)

です。この熱伝導率k は熱の伝わりやすさに対応した物性値です。だいたいですが金属で数十−数百程度で、コンクリートなどは1前後で、これが断熱材ともなると 0.1ほどでずいぶんと小さな値になります*****参考例はこんな(<-ク リック)感じかな??ちなみに氷2.2程度--水0.6程度--水蒸気0.02程度で同じ物での状態で熱伝導率は大きく変わりま す。また相転移していなく ても温度によって熱 伝導率は変化します。精密機器を作製する場合にはこの辺も気をつける必要があるでしょう。
  またこの式(02)を見てみるとkd は比例関係にあるため、もしも定常熱伝達速度Q (J/s)が一定の場合、部屋の温度を同じにするためには断熱材の厚さd でコントロールすることができるというわけです。*****参考例はこんな(<-クリック)感じかな??自分で計算してみると 笑えますよ!

さて次のステップに行きましょう。断熱材では実際には熱を断つことはできませんから、以下の図のようなものを考えてみましょう。そうです。断熱材の代わり に冷却水を流して熱を横取りしてしまうのです。

図5

このように、矢印Aから伝わる熱を上手に矢 印Cにはき出す液体(場合によっては気体)で熱を安定的に奪い取ってやるのです。十分に時間がたてば、定常状態と見なすこと ができるので同じような計算ができます。もちろん流す水が弱かったりすると奪いきれなかった熱が右側の部屋の方へ漏れ出すよ うな形で伝わることになるでしょう。

さてここでちょっと細かいことを考えてみましょう。まず図5の矢印Aから伝わる熱は、一度冷却水が流れている容器に熱 を伝えて、さらに容器が中の水に熱を伝えるという順番になっています。壁面部分の温度をよく見るとこんなカンジです。 


図6

熱源側の容器壁面では先ほどの断熱材と同じことが起きています。しかしふつうは熱を奪い取って冷やすことを考え ればこの容器の熱伝導率k はできるだけ大きなものを使います(銅容器ならば400近いしね。)また壁を薄く作ればd も小さくとれるので(01)式から定常熱伝達速度Q (J/s)は非常に大きくとれます。つまり素早く冷却水に熱を伝えることができることになります。また冷却水は銅の壁面から熱を奪い取っていくので壁面か ら離れるほど温度が下がっていくことになります。この様子は投入している熱量、容器、冷却水の添加物、冷却水の流量などで大きく変化することがわかると思 います。


図7

では壁面(図7の緑部分)付近の温度の変化を考えると、冷却水の温度が容器が出口に近づくにつれて、冷却しにく くなっていることがわかります。さて、このような液体や気体の流れによって熱を奪っていく様子を解析することは非常に重要です。そこでこの流体(液体や気 体の流れ)が奪い取っていく時間あたりの熱量を対流伝熱速度Q (J/s)として次のように表すことができます。


* * * * * (03)
となります(ニュートンの式)。 は熱伝達係数と言われます。この熱伝達係数は諸条件で大きく変わってしまうため、簡単な場合でのみしか理論的に求められ、ヌッセルト数 から概算されます。*****sorry作 成中=詳細説明と補足はこんな(<-ク リック)感じかな??  実際の車やバイクのエンジンのようにガソリンの燃焼室の熱を冷却水で冷やす場合など複雑な形状をしているため簡単には求まりません。

図8 エンジンも冷却していますね!

では下の図のような熱源側も流体であった場合について考えていきたいと思います。熱源も流体だった場合には冷却水と同じように、容器の壁のところで熱を奪 われていくわけですから、熱源側も(03)式を用いることができます。熱源側の熱伝達係数をh1、壁の熱伝導率をk、冷却水側の熱伝達係数をh2とすると

図9


* * * * * (04)
総括熱伝達係数Uとして扱うことができます。実際の総括熱伝達係数Uは容器特性(形状、材質)、流体の物性(密度、比熱、粘性、壁面の汚れetc)、流体 の速度や温度、に大きく依存するため、このように簡単に表すことはほとんどできません(えっ?十分ややっこしい?)。
  では流体の流れる方向の温度分布を考えてみましょう。容器の入り口付近では、熱源の流体の温度は高く、冷却水の温度は低い。それが容器の中を流れてい く内にだんだん熱が冷却水の方に奪われていきます。つまり両者の温度差が徐々につまっていくはずです。もしも非常に長い容器であった場合には両者の温度差 は全くなくなってしまうでしょう(もちろん他からの熱の出入りがないときだけですよ!)。よって下の図のようになります。

図10

いたずらするわけではありませんが、では同じ装置で冷却水を逆に流したらどうなるでしょうか?流しはじめの不安定な時をのぞき、定常状態ではくと図11の ようになります。


図11

一般的な話ですが、冷却水が熱源の流体よりも温度がちょっとでも低ければその分は冷却できることから、逆向きに流した方が無駄なく冷却できると言われてい ます。

ではできるだけ簡単に、外の熱の影響を小さくして熱源流体の温度を下げる形状の冷却装置を考えましょう(複雑なのは後で解説します)。熱源の熱をできるだ け冷却水にだけ移動させ、外に漏らさないようにするため熱源流体の流れるパイプの外側に冷却水の流れる大きなパイプを同軸上に配置し、それぞれの流体が混 ざらないようにします。こうすれば熱源流体の熱は冷却水に放出されていくことになります。そうです!ようやく熱交換器らしい形になりました(二重管式熱交換器)。

図12

この場合も先ほどと同じように、冷却水の流し方が2通り考えられることがわかります。熱源流体と冷却水を近い入り口から入れて、出口同士も近い側にすれば熱源流体と冷却水が平行 に流れていきます(というより、並列して流れていくといった方が的確かな?)。このタイプを並流式といいます(並流式熱交換 機)。またそれに対して熱源流 体と冷却水の入り口と出口の位置関係を逆にすれば、それぞれの流体は向かい合う方向に(逆流しているような形に)流れていきます。このようなタイプを向流 式といいます(向流式熱交換機)。それではこの2通りのやり方ではどちらの方が効率よく熱を奪えるのか考えていくことにします。


図13


いよいよ本題!二重管式熱交換 器
その 1 並流式
  下図(図14)のような並流式熱交換器を考えてみましょう。


図14
さてさて、計算に必要となるパラメータをちょっと整理しておきます。
試 料流体の入口での初期温度をTsa(K)
試料流体の出口での終端温度をTsb(K)
試料流体の流量(単位時間あたりの質量)をWs(kg/s)
試料流体の比熱をCs(J・ kg-1K-1)

冷却流体 (普通は冷却水)の入口での初期温度をTca(K)
冷却流体(普通は冷却水)の出口での終端温度をTcb(K)
冷却流体(普通は冷却水)の流量(単位時間あたりの質量)をWc(kg/s)
冷却流体(普通は冷却水)の比熱をC(J・ kg-1K-1)

この熱交換器の総括伝熱係数をU(W・m-2K-1)
この熱交換器の冷却面積(伝熱に関わる面積)を
A(m2)

ではまず、交換熱流量(この熱交換器で移動していく時間あたりの熱量Q(J/s))を求めると、定常状態であれば試料流体からでも冷却流体 からでも同じ結果が得られます。



* * * * * (05)

現実の問題はさておき、いろいろな試験(資格試験、入学試験や入社試験)では、各 パラメータの中で一つぐらい不明な物が入っています(そうでないとお もしろくないので!)
たと えば、冷却流体の出口での終端温 度Tcb(K)が 不明になってたりします。ありがちぃー!!

では、(04)式の関係から
Tcb(K)をもとめると


となります。
実数入れないとおもしろくないので、例題を考えておきましょう(なる べくそれっぽい数値がいいよね!)。
Tsa= 650(K)
Tsb= 450(K)
Ws10.0(kg/s)
Cs=2.10(kJ・ kg-1K-1)=2.10×103(J・kg-1K-1)

Tca= 300(K)
Tcb=?(K)  不明
Wc= 20.0(kg/s)
C4.20(kJ・kg-1K-1)=4.20×103(J・kg-1K-1)


と求まります。楽勝でしょ!!


次に、交換熱流量Q (J/s)は 熱交換器全体の平均温度差ΔTm(K) とした場合、総括伝熱係数U(W・ m-2K-1)、冷却面積A(m2)を用いると 以下のように表すことができます。


* * * * * (06)
また二重管式熱 交換器の場合、平均温度差ΔTm(K) は対数平均温度差をとって



* * * * * (07)
となります。これらを整理すると(?ややっこしくなってないかい?)



* * * * * (07)
となります。
それでは例によって!実数入れて見ましょう!さっきやった数値にU を与えて冷却面積A(m2)求めてみましょう!(なるべくそれっぽい数値がいいよね!)。
U1.20(MW・m-2K-1)1.20×106(W・ m-2K-1) =1.20×106(J・s-1m-2K-1)とします。
Tsa= 650(K)
Tsb= 450(K)
Ws10.0(kg/s)
Cs=2.10(kJ・ kg-1K-1)=2.10×103(J・kg-1K-1)
Tca= 300(K)
Tcb= 350(K)
Wc= 20.0(kg/s)
C4.20(kJ・kg-1K-1)=4.20×103(J・kg-1K-1)
ますは(07)式から平均温度差ΔTm(K)を求めると



となります。さらにこの平均温度差ΔTm(K)総括伝熱係数U(W・ m-2K-1)からこの熱交換器の冷却面積A(m2)を求めると


となります。もしもこの熱交換器の冷却面がほぼ円柱形で長さLp= 1.00(m)とした場合、試料流体の流れる内側の管の半径R s(m) は

のようになる。つまり半径3mm弱のパイプでいいことになる。なんか リアルだね!



その2 向流式

  下図(図15)のように、図14の熱交換器に冷却流体を逆向きに流し た向流式熱交換器を考えてみましょう。計算で用いる式は全く同じです。

図15

ではまず、交換熱流量(この熱交換器で移動していく時間あたりの熱量Q(J/s))を求めると、定常状態であれば試料流体からでも冷却流体 からでも同じ結果が得られます。並流式との違いは冷却流体の出入り口が逆になっているのでTcaTcbとなっている点です。もちろん式の上でも以下のように冷却流体のみ並流式とは逆になります。
それでは例によって!実数入れて見ましょう!さっきやった並流式と同 じ冷却をした場合(つまりTsb= 450(K)になっているとき)の冷却面積Aanti(m2)求めてみましょう!まずはQ を求めれば
Tsa= 650(K)
Tsb= 450(K)
Ws10.0(kg/s)
Cs=2.10(kJ・ kg-1K-1)=2.10×103(J・kg-1K-1)


のように、同じ冷却をするのであればさっきと同じ値が出てきます。いっぽう冷却流体の方は、同じ冷却水を逆に流しているだけなので,
今度は
Tca=?(K) 不明Tcb= 300(K)となります。それでは、Tcaを求めておきましょう。
Tca=?(K)  不明
Tcb= 300(K)
Wc= 20.0(kg/s)
C4.20(kJ・kg-1K-1)=4.20×103(J・kg-1K-1)



すべての温度がそろったところで(07)式から平均温度差ΔTm(K)を求めます。



となり、並列式に比べて平均温度差ΔTm(K)が若干大きくなっています。これは同じ冷却をしているのに差が大きい のですから非常に効率よく冷却していることがわかります。そいれではこの平均温度差ΔTm(K)総括伝熱係数U(W・ m-2K-1)からこの熱交換器の冷却面積Aanti(m2)求めると
U1.20(MW・m-2K-1)1.20×106(W・ m-2K-1) =1.20×106(J・s-1m-2K-1)として



となり当然なんと並列式に比べて冷却面積は若干小さくてすむことがわかります。そこで試料流体の流れる内側の管の半径R s(m) を同じ物を使って長さだけで調節すると


このように8%ほど小さい熱交換器になることがわかります。逆に
そこで試料流体の流れる内側の管の長さを同じ(1.00m)にして半 径R s-anti(m)で調節すると以下のようになります。





以 上のように、並流式と向流式の熱交換器について説明をしましたが、これらはパラメータが多いので何か一つを不明にして出題するパターンが容易に考えられま す。是非自分でいろいろ検討してみましょう!!

とりあえず続くです。
でも何にもアップしないよりはましだと思ってageました。
ではまた。



も ど る